12月, 2019 | SUNABACO - 人生を変える2ヶ月

ミライのつくり方〜SUNABACO TAKAMATSU講演会〜

SUNABACO TAKAMATSUで行われた「ミライの作り方」(ナカムラマコト × GOROman)の概要をまとめた記事です。2020年から、どんな未来が待ち受けているのか。ぜひ御覧ください。

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1、便利は麻薬

2、誰もがスタンド使いに

3、ミライを予想する

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1、便利は麻薬

人間は便利なものを体験すると、不便なものに戻れません。


例えば、洗濯機。今は全自動のドラム式です。

人間が洗濯槽から脱水槽に入れ直していた、ニ槽式洗濯機にはもう戻れません。


ツールはどんどん進化していて、過去のツールには戻れないのです。


ルンバもそうです。いまのルンバは自分で充電してくれますが、人間がバッテリーを装着して充電もしなくてはならないと、それだけで使わなくなります。


人間は一度便利を知ってしまうと、これまで便利だと思っていたものがストレスになります。


ほかにも、飛行機に乗って荷物で手が塞がっているときに、AirPodsProがあれば声でSiriにお願いをして、レンタカーの手配も目的地までの案内もずっと耳元でしてくれます。


これを一度体験すると戻れません。


便利は麻薬のようなもの。


便利さや快適さを体験する時は脳内麻薬が出ています。人間は一回それを体験してしまうともう一度それを求めるものなのです。

                                                                            

2、スタンド使いになる

ところで、インターネットが生まれてからこれまでに、さまざまなサービスが生まれてきました。


しかし、50年近くずっと囚われていることがあります。


それは、生まれるサービスがグラフィックユーザーインターフェイス(ユーザーが画面上のボタンや画像などを選択して操作していく仕組み)だということ。

これが2020年から大幅に変わると予想しています。


デジタル革命の中でイノベーションと言われるものは、インターネットを起源としたものでした。それが、インターネットが起源ではない新しいイノベーションが起こる可能性があるのです。


これまでは、ブラウザの画面やスマホを操作して、人間から働きかけてコンピュータを使っていました。これからは、様々なセンサーやAIの発達により、自分のことと周囲の状況を理解して、コンピューターから作用してくれる未来がやってきます。


つまり、誰もが自分を理解してくれる秘書を持てるということです。


それは、個人の性質や能力を拡張してくれるジョジョのスタンドのようなもの。


ベッドの中で、うとうとし始めたら自動で電気が消え、気分やシーンに合わせて耳元で音楽が流れる。旅先では自分の好きそうなメニューをレコメンドしてくれる。


そうなると私たちは、スマホのガラス面をこする必要がなくなります。大きくて重いデバイスを持ち歩く必要もなくなります。新しいスマホに変えるたびに学習することからも解放されます。


コンピューターを水や空気のように、誰もが意識せずに使える世界がやってくるのです。


                                                

3、ミライを予想する

当たり前にスマホを使い、様々なデバイスを使う中で、これは本当に便利なのか、どんなときにストレスを感じるのかということに目を向けると、それがビジネスにつながります。


今まで当たり前だったことをもう一度見直し、人がどのようなときに不便さ、面倒くささを感じるのか考え、それを解決することで新たな市場が開けるのです。


そのためには、まずは体験をすること。様々なデバイスに触れ、実際に使ってみないと良さも不便さもわかりません。


また、優れたアニメーションや映画を作っている人が描いている未来を見ることも未来の予想に有効です。そこにエンジニアの情報を重ねていくと、これが今の時代だとできそう、ということが分かるようになります。


特別すごい何かがあるから未来を予想できるのではなく、試して、体験して、情報を重ねていくことで見えてくることがあります。人間の生活そのものを変える未来は、もうすぐそこに広がっているのです。



Post Internet Innovation 〜佐世保市講演会レポ〜

佐世保市で行われた日本機械学習ロボティクス・メカトロニクス部門主催講演会「テクノロジーの魅力と、ミライのつくりかた」に、SUNABACO代表ナカムラが登壇させていただきました。

本記事は、ナカムラのトーク部分にについての概要まとめです。さらに詳しく知りたい方はYouTubeで限定公開していますので、そちらもチェックしてみてください。


* この記事のコンテンツ *

1、情報が物理世界を拡張するということ

2、コミュニケーションはベクトル

3、「ガラスをこする」からの解放

                                        

1、情報が物理世界を拡張するということ

インターネットが生まれ、今日までの間に、それより前の時代の人たちがこれまで聞いたことのないビジネスがたくさん生まれてきました。これらの新しいビジネスは、YouTube、Twitter、Googleなど、インターネットを起点としたイノベーションです。

それが今、AIの発達や、通信速度が早くなってきたことにより、世界が変わろうとしています。インターネットがイノベーションの源泉だったということが、変わろうとしているのです。

インターネットは物理を情報にしてきました。

そして今、情報が物理世界を拡張しています。言ってしまばARやVR、XRなどのようなものです。


ただし、今一般の人が見ている、知っているものとは少し違います。今知られているものは視覚、見ている世界だけの拡張ではないでしょうか?


例えば今、私はエアポッドをつけています。これの何がすごいかというと、周りの声が聞こえている状態で「Siriとだけ会話」ということができます。

これは聴覚の拡張です。皆さんと話しながら、外部音を取り入れることが可能なのです。

車の運転に必要な情報を遮断することなく、Siriがニュースの読み上げしてくれるということもできます。

ホロレンズのような重い道具を使わなくても、「Googleグラス」「ARグラス」といった小さなもので、ものすごい世界が広がります。我々の世界を拡張するような世界ができ始めているのです。

                                     

2、コミュニケーションはベクトル

コンピューターはインターネットを使ってとても便利になりました。

ただし、ユビキタス社会といわれる今の社会は、人間からアクションを起こして、能動的に使わない限りその便利さを使うことはできません。自分で検索しない限り使えないのです。


自分から調べるということは、調べる対象に興味をもっている人にしかできません。


これが、AIやセンサーが発達してきてから、センサーや機械側が「人間を感知して人に働きかける」ということが可能になってきています。


Siriに話しかけて答えてもらうという世界から、「この人はこういうの好きだよね」

「こういうことしそうだよね」ということを教えてくれる「アンビエント社会」がやってきます。インターネットによるイノベーションが終わって新しい世界が来る。それが今です。


これは、人間とコンピューターとのコミュニケーションが変わるとも言えます。自分から能動的に動かない限りコンピューターが使えなかったことが、向こうからアクションをおこしてくれるようになります。


そしてこの、向こうから働きかけてくれるか、自分から働きかけるか、ということは、コミュニケーションにおいては大きなことです。


例えば、気まぐれな猫に、「おいでといって自分で撫でる」と「猫からすり寄ってきてまとわりついてくれて撫でる」ということを比べるとどちらが嬉しいでしょうか。同じ行為でも、相手から求めてきてくれる方がすごく嬉しいですよね。


コミュニケーションは、どちらが起点になるかはとても重要です。内容や質以前にどちらからアクションをするかは重要なことなのです。


これからは、たくさんのセンサーを配置して、普段の個人の情報がカスタマイズされ、そこから様々なことを予測して「あなたこれ好きだよね」をコンピューターから働きかけてくれるコミュニケーションの形が可能になるのです。

                                     

3、「ガラスをこする」からの解放

さて、今までは人間からコンピュータにアクセスする時はブラウザに向かっていました。インターネットが起こしてきたイノベーションの中でずっと変わらないのは、操作はグラフィカルユーザーインターフェイスということです。


この操作から人類が解放されたらどんな未来が待っているでしょうか?


友人のGOROmanさんは「まだガラスこすってるの?」と言います。

今や「Hey!Siri!」といえばたくさん情報が入ってきます。

そして今度は、「これはこの人」いうことを理解して、予め必要な情報を教えてくれるようになり、「今ひまかな?」と言うときに話しかけてくれるようになります。リアルに対して実体をもたなくなる、バーチャルにとけてくるという未来がおこってきます。


声で操作することによって解放されるのは手です。「ながら」の作業も簡単にできるようになります。


第二の開放は目です。日本人は下を向いて歩いている人が多いですが、前を向いて歩けるようになります。


さらに、ユーザーは学習から解放されます。


声で「なんとかして!」ができると、「iphoneからAndroidに変えたら使い勝手が違うから覚えないといけない」「スマホ新しくなるたびに学習しないといけない」というような学習コストから解放されるのです。


誰もが水や空気のようにその存在を意識せずに使える。常にどんなところでも、自分のことを理解してくれるコンシェルジュがいてコメントしてくれたり操作してくれる。


全ての人が恩恵に預かれる社会が来るのです。

おわりに

最後にお伝えしたいことがあります。


今や変化は一瞬で、予想ができません。10年かかるな、は3年で実現したりしています。


ですから、市場ができてから準備しても仕方がありません。市場ができたときにスタートラインに立っていなければなりません。


だからこそ、いろんな情報をとることを習慣づけ、チャレンジして体験をしてその情報が正しいかどうかを判断することがとても重要です。


体験をして情報が取れるようになると未来を予想できるようになります。


そうして、市場ができたときにスタートラインに立てるようにしておくことが今とても必要とされているのです。


YouTube・・・Post Internet Innovation

クライエントの描くイメージ拾えてますか?

こんにちは、SUNABACOスタッフのよしながです。

例えばウェブサイトを作って欲しいという人と話し合いをするときに、相手の言いたいことがイマイチ掴めないことってありませんか。デザインに関する場合は切実です。「カッコよく」と言われてもカッコいいの基準は人によって異なります。デザインする側としてはクライエントの思い描くイメージを可能な限り拾い上げようとするのですが、相手も具体的に作りたいイメージがしっかり固まっていない場合が多いのが実情。一緒にクライエントの理想像を具体化、共有していく作業が必要になります。

ムードボード

「cool」をテーマにしたムードボード

そのために便利なのがムードボード。知り合いのデザイナーさんが使ってるのを見て僕も利用するようになりました。「あなたの言いたいのはこんな感じ?」と思われる様々な画像をボードにペタペタと貼り付けるだけ。写真、イラスト、ロゴ、デッサン、自然、風景、街並み、なんでもいいです。ネット上にある画像をコピペしても構いませんし、紙と糊でボードに実際に貼り付けてもOK。例えば「クール」と言っても”モノトーンの落ち着いた感じ” と捉えることもあれば、”流行最先端の尖った感じ” と考えることもあります。両方をひとつのボードに貼り付けてもいいですが、別々に制作して「どっちのクールですか?」と選んでもらうことできます。ビジュアル化することでクライエントも自分のイメージを明確化できますし、デザインの方向性も決まります。

ヒアリングシート

クライエントの要望が漠然としている場合、ヒアリングシートを使うのも手です。こちらである程度の選択肢を用意してあげて情報を絞り込む方法です。サイトの色、デザインのテイスト、好きなウェブサイト、フォント、etc…、細かく聞き取ります。ヒアリングする内容は「デザイン ヒアリングシート」で検索すると出てきますのでそれを利用してもいいですし、自分なりに改良を加えてもいいでしょう。ただしこれで得られるものでも充分ではありません。さらに話し合いを進めイメージをはっきりさせる必要があります。この情報を元にムードボードを制作してもいいでしょう。

学生時代に「デザインとはビジュアルコミュニケーション」だと先生が言っていました。クライエントが伝えたいことを色やカタチで表現することだと。「クライエントが伝えたいこと」を導き出す手段として今回の方法をぜひ試してみてください。