【イベントレポート】やんばるにおける本当のDXとは?名護から始まる、現場の力を「未来の原資」に変えるヒント | SUNABACO

【イベントレポート】やんばるにおける本当のDXとは?名護から始まる、現場の力を「未来の原資」に変えるヒント

2026年3月16日

株式会社SUNABACO

2026年3月11日、沖縄県名護市にて、コザ信用金庫経営者友の会名護支部様主催のもと「やんばるにおける本当のDXとは?」をテーマにした講演会が開催され、SUNABACO代表取締役 中村が登壇しました。

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が広く飛び交う昨今。
しかし、日々奮闘されている企業の現場からは、「日々の業務を回すだけで精一杯で、DXどころではない」「人手不足は深刻だが、ITツールを入れる余裕も専門知識もない」といった切実な声も聞こえてきます。
今回のイベントレポートでは、そんな現状を打破するための、明日からすぐに役立つ業務改善のヒントを共有します。

■ 人手不足の悩み。その「原資」をどこから生み出すか

「人を採用したくても集まらない」
そんな悩みを抱える企業は少なくありません。

人を呼ぶためには給与や待遇を良くしなければなりませんが、厳しい経営状況の中で、その「原資」をどう捻出すればいいのか、と頭を抱える経営者の方も多いのではないでしょうか。

ここで、一つのデータをご紹介します。
「給与体系が上がるとその町は人口が回復する」というデータがある一方で、現状のままでは多くの地方都市が「消滅可能性都市」になってしまうという事実です。だからといって、企業が無理をしてチキンレースのような待遇改善競争をする必要はありません。

重要になるのは、DXの本当の目的です。DXとは、日々の業務の無駄を見つけて効率化し、そこで生み出した時間とお金を「再投資」することにあります。日々の小さな改善活動によって生まれた余裕を再投資し続けることで、企業は新たな競争力を手に入れます。

このサイクルを回すことで、無理なく待遇改善の原資を生み出し、会社と地域を存続させることができるのです。

■ 「システムを入れたのに使えない」をなくす、現場目線のアプローチ

DX推進のために良かれと思って高価なITツールを入れたものの、「現場の業務に合わず、結局使われなかった」。皆様の会社でも、そんな苦い経験はありませんか?

それは決して皆様のせいではなく、システムを作る側と現場との「ギャップ」が原因で起こってしまいます。いくら高度なシステムを作る技術があったとしても、現場でどんな風な仕事が行われていて、どんな業務内容で、どういったところに負担や面倒くささを感じるのかは、実際に現場にいる人でなければ分かりません。だからこそ「システムを作れる」ことと、「現場で使えるシステムを作れる」ことは別のお話なのです。現場の目線が欠けているシステムは、結局使われないものになってしまいます。

また、DXとは単に「ツールを導入すること」ではありません。ここで一つ例をご紹介します。

韓国の新幹線「KTX」では、改札機そのものがありません。スマートフォンで予約管理ができるため、高価な改札機を導入・維持するよりも、改札をなくす方が効率的だという判断をしたのです。 これは、デジタルツールを入れたからではなく、業務を根本から見直し、棚卸しがちゃんとできたことによる業務改善の成果です。このように、その業務が本当に必要か、どこが一番のボトルネック(足を引っ張っている部分)になっているかを見直すことが、システムを入れる上で大切な最初のステップになります。

■ 現場のプロが「自分で作る」時代

では、誰がどうやって改善すればいいのでしょうか。その最大の武器となるのが「現場の皆さんの力」です。自社の業務を一番よく知っているのは、外部の業者ではなく、毎日そこで働いている現場のスタッフだからです。

今は、プログラミングの知識がなくても、AIに向かって「こんな業務を改善したい」と喋りかけるだけでシステムが作れる時代になっています。

講演では、身近な事例がいくつか紹介されました。

  • 造船所の事例: プログラミング未経験の社員が、たった2週間で1000万の発注ロスを減らすアプリを開発し、多額のコスト削減を実現。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000136949.html

  • 小さな食堂の事例: 伊勢にある食堂の店主が、店前の人通りや天気から来客予測AIを作り、食品ロスを大幅に削減。
  • りんご農家の事例:
    費用をかけずに自分たちでECサイトを立ち上げ。売上は前年比+600万円に。

現場の人が自分たちで作れるということは、実際に現場で使ってみて「ここが違うな」と感じたら、自分たちですぐに直せるというのがすごい強みです。使いにくければその日のうちにパパッと修正して、次の日にはそのアップデートされた改良版を使って試すことができます。

この「早く改善・修正のサイクルを回せる」ことこそが重要であり、毎日の業務に本当に寄り添ったシステムへと育てていくことができるのです。

■ 「仕事が増えるだけ」という現場の不安にどう応えるか

新しい取り組みを始めようとする時、現場のスタッフが「ただでさえ忙しいのに、これ以上仕事が増えるのは困る」と感じてしまうのは、DX化を進める上でのよくあるつまずきやすいポイントです。

そうなった時、組織としてDXを進めていくためにはどうしたらいいのか。

例えば、ある大規模病院の事例をご紹介します。 この病院でも、最初はスタッフにDXの必要性がなかなか届きませんでした。なぜなら、現場の人たちにとってDXが「自分の生活に関係がなく、仕事が増えるだけのもの」だったからです。 しかし、「DXを行うことで、病院の経営が安定し、給料が上がり、定時で帰れるようになり、自分たちの生活の質が良くなる」という具体的なメリットが伝わった途端、現場のスタッフが自ら進んで学び始めたといいます。

DXを「自分ごと」にしていただくこと。そして、経営陣がDXの目的を正しく理解し、現場の挑戦を全力でサポートする覚悟を持つことが、組織全体を動かす大切な鍵となります。

■ 名護から一緒に、新しい未来を作りませんか

「かつて沖縄市のコザでITのムーブメントを起こしたように、次は名護から、やんばるから、地域を強くするムーブメントを皆さんと一緒に起こしたい」

そんな熱いメッセージと共にセミナーは締めくくられました。

今回の講演会は、データや学術的な理論に裏打ちされたお話を交えつつも、地方の現場で泥臭く頑張る人々のリアルな悩みに深く寄り添い、共に考える温かい時間となりました。質疑応答でも、地元の病院職員や農家、経営者の方々から次々とご相談が寄せられ、会場全体で知恵を出し合うような一体感が生まれていました。

地方だから、専門知識がないからと諦める必要はありません。
ここ名護から、皆さんの手で日々の業務を少しずつ良くしていく。SUNABACOもその一歩を全力でサポートし、未来の地域を救うお手伝いができればと願っております。

SUNABACOビジネススクール公募情報

DX人材育成講座 | 4月6日開講
https://sunabaco.com/schools/digital-transformation/

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