今治市・SUNABACO、「海のシリコンバレーに」。海事フォーラム共催。新燃料 原料ジャトロファも紹介 | SUNABACO

今治市・SUNABACO、「海のシリコンバレーに」。海事フォーラム共催。新燃料 原料ジャトロファも紹介

2024年7月24日

株式会社SUNABACO

愛媛県今治市とDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進するSUNABACO(本社・熊本県八代市)は22日、今治市内で海事フォーラム「最新テクノロジーを活用した海事業界の未来に向けて」を共催した。冒頭、SUNABACOの中村良代表取締役が「人と知恵が集積することで、新しい産業が生まれた事例が(米国の)シリコンバレーだ。海事産業が集まる今治は『海のシリコンバレー』になり得る」と力強く語った。

「今治市は日本最大の海事都市を標ぼうし、海運、造船、舶用、そしてファイナンスが集積している。しかし、今の延長線上でこのまま維持ができるのか、誰もが疑問を持っている。そこでSUNABACOを誘致した」

徳永繁樹今治市長は、フォーラム冒頭のスピーチでそう語った。

SUNABACOは全国にプログラミングスクールやコワーキングスペースを展開し、2022年に今治市と企業立地連携協定を締結。昨年10月にイノベーションやDX、AI(人工知能)人材を市全体で育成する「今治イノベーションコンソーシアム」を立ち上げた。

■少子高齢化に先手

中村氏はDXの可能性として、今治ならではの協働ロボット、AIによる運航支援、ぎょう鉄などの造船技術のITによる伝承、デジタルツイン(仮想空間に再現した複製)による生産最適化などを挙げる。

中村氏は「スターリンクの登場により、7万円くらいのアンテナと月額1万円弱で、世界中どこの海の上でも100Mbps以上のインターネットを使い、データを集められる。AIをはじめとする技術を活用して船の世界をもっとアップデートできる」と指摘。

さらに、「少子高齢化社会の中で、これから造船や船の運用で人が足りなくなってくる。いかに早くITを使って、集積地の強みを生かしていくかが問われる」と訴える。

徳永市長も「われわれは人が減っていくという有史以来の出来事に遭遇している。その危機感こそが、私が今治市長を目指した源泉だった」と発言。DXにより「省人化、ロボット化、いままでできなかったことが可能になる。ここから大きなムーブメントができて、新しい企業が出来上がってくる。それをファイナンスでアテンドしていく。そうした形になれば本当にありがたい」と期待を込める。

■最強のクラスター

トークセッションのパネリストとして登壇した今治船主の双輝汽船の河上洋右社長は、今治について「これだけの海事クラスターがあるのに有機的に結合していないのはもったいない。私自身、財務官僚時代に名古屋で自動車を中心とした企業連携を目にした印象が強く残っている」とコメント。

その上で、「海事では今治が世界最大、最強のクラスターだ。DX、GX(グリーントランスフォーメーション)、ベンチャーも併せて総合力を発揮すればもっと強くなれる」と展望を語った。

伊藤忠商事の尾関洋彦船舶海洋部長はDXの可能性として「自動航行はテクノロジーとして、われわれも入っていきたい分野だ」とした上で、「船舶にはトラブルが付きものであり、ぜひ技術革新に期待したい」と語った。

さらに尾関氏は基調講演で、海運・造船業界のポータルサイトを展開するマリンネット(本社・東京都港区)設立時の経験を振り返り、スタートアップ立ち上げの課題と可能性について考察を提示した。

■モザンビークで生産

基調講演に登壇した日本植物燃料の合田真代表取締役氏は、バイオディーゼル燃料や航空燃料の原料として注目される熱帯植物「ジャトロファ」について解説。自身が携わるモザンビークでのジャトロファ栽培と燃料化事業を紹介した。

合田氏は「航空燃料として売った方が多少高く売れるかもしれないが、産業の裾野の構造を含め、日本にとってはやはり海の方が圧倒的に重要だ。世界で日本の海運業界がトップを走り続ける上でも水素、アンモニア燃料だけではなく、もう一つの(ジャトロファという)武器を増やしてもらえれば、日本全体に大きい貢献ができる」と期待を語った。

河上氏は船主の観点でジャトロファについて「まだ開発中のアンモニアや水素エンジンだけではなく、従来エンジンをそのまま生かせる燃料はリスクヘッジとしていい」と評価する。

フォーラムでは、特別ゲストとして来日したモザンビークのマテウス・マガラ運輸通信相が登場し、同国のエネルギー転換戦略や物流について語った。

日本海事新聞掲載

https://www.jmd.co.jp/article.php?no=297816

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